がば!と目覚めたら5時。BOOKNERDから帰ってきてすぐ寝ていた。

いつも通りの月曜日である。

8日から16日まで「くどうれいんフェス」という名の展示と販売をした。「在廊」という形で、県内の読者のみなさんにもお会いすることができた。オンラインでも同様の展示、販売を楽しんでいただけるようにいろいろやってみた。その場で決めてしまったので安直な「くどうれいんフェス」という名前で進行したが、ナルシストっぽい名前だったのかもと後から気が付いて落ち込んだりした。でも、皆さんがとても好意的なメッセージやお手紙をくださったので安心した。

正直、毎日とてもびくびくした。決めたことではあったものの、今このような状況で三密を避けてとはいえ人を呼ぶ催しであったこと。毎日、もしこれで感染者がでたら、と考えると真っ青になった。こういった状況で、飲食店のみなさんや他の個展もは毎日の営業を行っているわけだ。なんと張り詰めた精神状態だろう。とても尊敬する。とても尊敬するし、一刻も早く感染者への誹謗中傷がない社会、ワクチンのある世界になってくれたらと祈る。そういう意味で本当に勉強になった機会だった。

オンラインでもいろいろできるような世の中、またその絶好の機会であるように言われていて、それに助けられている部分も大いにあるとは思う。でも、わたしはこのフェスで読者の方にお会いでき、マスク越しの一瞬ではあったがお話もできて、やっぱり直接会わなきゃだめだって思った。

「勇気が必要だったと思います、でも、おかげで夏が楽しくなりました」と最終日に来てくださった方が涙ぐみながら言ってくれて、わたしも微笑みながら唇を噛んだ。勇気。勇気だったのだろうか。大馬鹿ものであったのではないかという自責がまだまだまだある。

最終日を終えて片づけながら「たのしかったなあ、ほんと、たのしかったよこのフェスは。なんかさみしいんだけど」と早坂さんは言って笑っていた。「本当にフェス終わっちゃったってかんじ、夏終わっちゃったじゃん」。「まだまだ暑いですよ」と答える。でも、本当にわたしにとってこれはフェスだった。これまでの人生に、一発、大きな花火を打ち上げたような。

なんにせよけじめをつけないと次に進めないのだ。「うたうおばけ」はいい本になった。わたしは次もその次も、たのしくどんどん書くぞ。

ご来場くださった皆様、差し入れのお気遣いをくださった皆様、オンラインで見てくださった皆様、物販をたのしんでくださった皆様、この試みを面白がってくれたすべての皆様に感謝いたします。

ほんとうにいい夏になりました。

みんなも手洗いうがい、良く食べて元気に過ごしてください。

 

くどうれいん