くどうれいんの2023年の仕事
7月から更新が滞ってしまい、一度滞るとどこから手を付けていいのやら……と言っている間にあっという間に年の瀬になってしまいました。へへへ。
何せ連載や掲載や出演のおしらせが、本数で言うと月に15本近くあるもので、更新のたびにHPを書くのがどんどん難しくなってしまいました。これからは、連載のお知らせや雑誌などへの寄稿のおしらせをどの程度HPで更新できるかわからなくなってきました。でもせっかくのHP、気さくに更新できるように来年はがんばります。
さて、2023年、ありがたいことにたくさんお仕事をしました。
本は3冊!
エッセイ集『桃を煮るひと』(ミシマ社)
桃を煮るひと | 書籍 | ミシマ社 (mishimasha.com)
2022年に日本経済新聞「プロムナード」で連載していた食エッセイに、たくさん書きおろしを加えた一冊です。
脇田あすかさんによるナイスな装丁と、文字通り桃のような手触りの1冊。ぜひ撫でてね。
ありがたいことにたくさんお手に取っていただき、6刷となりました。
いろんな場所へ「桃煮ツアー」で行くこともできて、ことしのわたしの1年を象徴するような1冊になりました。
各書店の年末の売り上げランキングにも入っているようで、書店員さんがたくさん桃を売ってくださったこともありがたいです。
京都にはプライベートも合わせて3回行きました。ミシマ社さんとのご縁、一生もんだろうな、と思っています。
とにかくピーチでジューシーな1年でした。
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エッセイ集『うたうおばけ』文庫版 (講談社文庫)
『うたうおばけ』(くどう れいん):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部 (kodansha.co.jp)
書肆侃侃房から2020年に発売されたエッセイ集が、講談社文庫より文庫化されました。
装丁は再び西淑さん、ピンク色の鮮やかな表紙とマットな手触り、手馴染みもいいので、単行本を持っている方も是非。
帯は上白石萌音さん! 単行本のときからたくさんうたうおばけをおすすめしてくださっていました。文庫になって新しい読者の皆さんにもぐんぐん届いているような気がします。
こちらも早速4刷! 勢いが止まりません。
書き下ろしのあとがきはこちらから読めます。
文庫はちいさくひらく盾だった——『うたうおばけ』文庫化によせて(くどう れいん) | 群像 | 講談社(1/3) (gendai.media)
(また、文庫化のタイミングで書肆侃侃房の単行本は刷止めとなっています。もし本屋さんで見つけたらレアかもしれません。)
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短歌と短文の物語『水歌通信』(左右社)
歌人の東直子さんとの共著です。共著ってはじめて。とても新鮮でした。
短歌と短文が往復されるスタイルの1冊。”結婚を打診されるも、かつての恋人の存在が心にひっかかり、素直に喜べないみつき。同じ街を浮遊しながら思考する謎の存在・ミメイ。ひとつの街にふたつの意識が浮かび上がり、淡く交信しながら進む物語。”
という説明が精一杯なのですが、読んでいただければうれしいです。こちらも重版しております、ありがたや。
ちなみに、完全にフィクションのものとして書いているため、短歌ではありますが「くどうれいん」のひらがな名義となっています。
(このごろ、フィクションノンフィクションに囚われず短歌俳句でもひらがな表記に統一したほうがいいんだろうか、と実はとても悩んでいる。どうしよね。)
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今年はトークイベントやサイン会をとにかくたくさんしました!
青森、秋田、岩手、宮城、山形、東京、京都、大阪、名古屋!
ざっと数えただけでも800人以上の方とお会いしたみたいです。とにかく人と会ってたくさんお話ししたり、お手紙をいただくことでパワーをいただいてなんとか乗り越えた一年だったような気がします。読者の皆様あって書き続けることができているんだなあとこころからそう思います。
おしらせだらけの一年で、自分でも自分の仕事に追いつけなくなるようなときもあったけれど、そのくらい、仕事として作家業をもりもりできたことが本当にしあわせな一年でした。わしわし働くのがわたしは好きです。出版社の皆さん、書店の皆さん、読者の皆さんがいてこそのことなんです、ほんとうに。ことしもお世話になりました。
来年は(というか、来年度は、かなあ)すこし無理をしても盛岡に引きこもって、「会いたいならおまえが来い!」をがんばる1年にしようと思っています。仕事をやや減らして、その分集中して大きなものを書く時間を作ろうと思っています。でも、そういうこと毎年言いながら夏ごろには忙しくって「あれぇ?」って言ってるんだよなあ。でもそれもたのしいんだよなあ。
てなわけで、盛りだくさんの2023年、ほんとうにお世話になりました。
来年も、ついてきな!
また書くよ!
2023年12月31日
くどうれいん