2020年のことと、2021年のことをかんたんに!

2020年はほんとうにたくさん働き、たくさん書き、たくさん笑い、たくさん悩んだ1年でした。

会いに行けない世の中でも『うたうおばけ』を出版したことでわたしの代わりにこの本がいろんな場所へ行きたくさんの方に会うことができてしあわせでした。

直接読者の皆様にお会いすることは叶いませんでしたが、生湯葉シホさん、磯貝依里さんとのトークイベント、遠野遥さんとの対談など、こんな時でなければできなかったような機会にも恵まれました。

本当にたくさんの景色を見ることができて、とってもうれしい1年になりました。

書肆侃侃房の皆様(とくに担当編集の藤枝さん!)、各書店に『うたうおばけ』の売り場を構えてくださった書店の皆様、そしてこの本と出会ってくださったすべての皆様に感謝いたします。

 

これからどうなるのかさっぱりわからなかった夏、勢いでフェスなんかもやったりして。

今思うとものすごい勇気と勢いだったなあと思いますが、そのおかげで、祭りも会食も全部なくなっちゃった夏だったけどなんだかやり切った感というか、絞り切って四季を生きたぞ!という感じがとても強く思い出に残って、やってよかったなあと思いました。

協力してくださったbooknerdの早坂さん、toibooksの磯上さん、吉田印刷の宮崎くん、そして会場やオンラインで面白がってくださった皆様、本当にありがとうございました。

 

そして2020年の話をするとなると、一番がんばったのは講談社「群像」での連載「日日是目分量」でした!

いつもは多くても5枚の随筆だったのに、今回は10枚、それも毎月!

働きながらどこまで書けるだろうと心配でたまらず、最初は断ろうか迷ったり、書き始めるまで半年ほどお待たせしてしまったり……思い切って書く!と思って連載をはじめてみるとたのしくてたのしくて。10枚という広い場所でこんなに踊ることができるのかと、新しい扉が開いたような気持ちです。

連載にお声掛けいただいた編集長の戸井さん、いつもお手数おかけしている担当の森川さんに感謝します。

日日是目分量を読んでくださった感想など目にすると、本当に本当にうれしいです。2021年も続きます、どうかよろしくお願いします。

 

 

2020年は2019年よりもさらに、様々な場所で書かせていただく機会や、様々なメディアに取り上げていただく機会が多く、それだけに「わたしは本当に作家として名乗っていいのだろうか」とか「これから何になるのだろう」とか、仕事と執筆とのバランスとか、くよくよ悩むこともとても多く、正直苦しい1年でした。でも、それ以上に今までにないくらいの人との出会い、見えた世界もたくさんあって、わくわくした1年でした。なによりも、書いても書いても、書くことはぜんぜんつらくなかった。わたしは書くことがすきなんだなあと改めて思った1年でした。

わたしとなかよくし続けてくれた皆様、今年新たに出会った皆様、支えてくださったすべての皆様、ありがとうございます!

 

 

 

 

そして!2021年。

4月に、左右社から第一歌集が出ます!

がんばっています、ぜひ皆さんに読んでいただきたいです。

 

まだ情報公開ができるものが少なくて歯がゆいのですが、2021年もみなさんに「おお!」と言ってもらえるような場所で、たくさんの作品を発表する予定です。

2020年に読者の方に「工藤さまが掲載される雑誌などをできるだけたくさん読みたいのですが、私にとってはペースが早く、幾つか見逃してしまいました。もう少しゆっくりでも充分なのにな、と思うときもあります。」とメールをいただき、それでとても気が楽になったのですが。うれしいことに、ありがたいことに、おそらくは2020年と同じくらいハイペースで2021年もいろんな場所でお目にかかることができそうです。なんとかついてきてください!

会社の協力も得て、サラリーマンと執筆をなんとか両立させながらがんばって書き続けたいと思っています。わたしは働くこともまた、とても好きで、たのしいのです。体調管理に気を付けて、なるべくアスリートのように日常的に安定した分量の文章を書くことができるようになりたいです。

 

それではさいごに、毎年お正月にわたしが諳んじる石川啄木の短歌を。

 

何となく、ことしはよい事あるごとし

元日の朝、晴れて風無し

 

(いい歌!)

2021年1月1日 くどうれいん