2024年もたくさんのお仕事をさせていただきました。

ことしは3冊の本が出ました。

 

『コーヒーにミルクを入れるような愛』(講談社)

群像での連載エッセイ「日日是目分量」が書籍化しました。

ふたり暮らし。書くこと。前を見て進むこと。日々の手ざわりがあざやかな言葉に変わる。
ロングセラー『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『虎のたましい人魚の涙』『桃を煮るひと』に続く、注目作家の最新エッセイ集。

6刷となりました!

 

 

『虎のたましい人魚の涙』(講談社文庫)

2023年のエッセイ集が文庫化となりました。

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花束よりも
眩しくて鮮やかな言葉を胸に
私たちも、今日という日へ祝祭を。
――杉咲 花
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八月の木曜日、朝八時半すぎ。
わたしは通勤中に、琥珀のピアスを衝動買いした――。
いま、いまが、いまじゃなくなるなら、
いまのわたしが、いまのわたしで、いまを書く。

会社員と作家の両立。書くこと、働くこと。そして、独立。へとへとの夜にじんわり心にしみる23編のエッセイ集。
【文庫版あとがき収録】

3刷となりました!

 

 

『日記の練習』(NHK出版)

 

「おもしろいから書くのではない、書いているからどんどんおもしろいことが増える」
小説、エッセイ、短歌、絵本と幅広い創作で注目される作家、くどうれいん。その創作の原点は日記にあった。そんな彼女の日記の初の書籍化が本書である。日々の短文日記=「日記の練習」とそれをもとにしたエッセイ「日記の本番」をとおして浮かび上がる、作家くどうれいん一年間の生活と思考と情動。書かなかった日も、あまりに長くなってしまう日も、それこそが日常のなかの日記だ。

5刷となりました!

 

 

重版がたくさん!書店員の皆様、読者の皆様のおかげです。

専業作家となったいま、わたしは本屋さんで本が売れるおかげで暮らしています。どうか、普段は図書館や古本やメルカリなどで普段本をたのしんでいる皆さんも、この人の本は、この作品は、と思うときは、新品を購入してほしい、というのがわたしの切なるきもちです。

 

 

(ちなみに)

『わたしを空腹にしないほうがいい』はおかげさまで引き続き売れ続け、2万部を超えました。

実は数年前から他出版社での文庫化のお話も数件いただいたりしているのですが、この本はどうにもこの本のかたちのままで売られ続けるのがいちばんだというきもちがあって(それに、文庫化にはたくさん書きおろしを書く必要があるのですが、この本にそれは粋じゃないような気がして……)できる限りこの本のかたちで流通させようと思っています。紙の値段もどんどん上がっているのですが、まだ何とか千円です。文庫本、と思うと高いかもしれませんが、手触りや印刷にとても拘った一冊で、原価がとても高いです。どうか、この値段で流通できるうちにお手に取っていただきたいなと思います。

 

 

単著以外にもさまざまな本に参加しました!

『休むヒント。』(講談社)

>「ふぐの脱走」というエッセイを寄せました。実家でふぐ飼ってるんです。

 

海のうた

月のうた

雪のうた

(すべて左右社)

>左右社がテーマごとに100首の短歌を集めたシリーズをはじめました。3冊に1首ずつ載せていただきました。

 

図録『オバケ?』

>2024年7月より東京・立川のPLAY! MUSEUMではじまる展覧会「オバケ?」の公式図録。わたしもおばけについてエッセイを書きました。

 

「母の友」特選童話集こどもに聞かせる一日一話2

>「わにのカレー屋さん」というお話が載っています。かわいいわになんだこれが。

 

現代短歌パスポート

>短歌連作「龍」を書きました。

 

それと、昨年はずっと憧れていたベストエッセイ2024に載ることが出来ました。

ベストエッセイ2024

群像に書いた「長野さんは陸を泳ぐ」というエッセイです。

 

 

他にもハウスのシチューのお仕事など、たくさんの経験をさせていただきました。

お仕事の記録はInstagramからどうぞ!

くどうれいんのInstagram

 

また、2024年は筆名を「くどうれいん」とひらがなに統一しました。今後は俳句や短歌でもひらがな名義となりますのでよろしくお願いいたします。

<BLOG>筆名を「くどうれいん」に統一します | くどうれいん公式ホームページ

 

そんなわけで、今年はたくさんのお仕事をさせていただきました。慌ただしくも非常に充実&安定した一年でとても満足しています。

版元の皆様、クライアントの皆様、お世話になりました。

 

今年は2か月に1回のペースで短篇小説を書くことが出来たのがいちばんの実りだと思っています。講談社群像チームの支えのおかげです、本当にありがたいです。これからも小説をがんばりたいと思っています。

更に、1月からイラストレーターの森優と、平日9時から18時までビデオ通話で仕事をするようになりました。それによって、メンタルが大変落ち着き、どれだけもうだめだと思う朝も(とにかく9時に机に座ろう……)と思えるようになり、座ってみると、仕事は捗るもんだこれが。森優と仕事をするようになって、執筆のペースが安定し、仕事について思い悩む時間もぐっと減りました。本当にありがとう森優。改めて、労働とは同僚と出勤と退勤なのだと思い知った1年でした。来年も引き続き森優を同僚としてがんばります。

2024年は例年以上に担当さんとの縁のことをありがたく思った一年でした。やはり仕事は人と人がしている。それが作家であっても、結局は人と人とで仕事をするんだなあと痛感しました。新しいことに取り組むよりも、いままでのご縁を大切にして目の前の仕事に集中してがんばりたい2025です。

↑ 大好きな担当さんたちに囲まれてうれしそうなわたし。

 

 

しかししかし、来年は、もっと、すんごい予感がしております。

 

なんとなんと、2025年は多ければ8冊出る予定です。

 

8冊。

 

8冊……?

 

健康第一!原稿第二!とにかく健やかにたのしくお仕事をすることを目標としてがんばります。

 

正直なところ、会いに来てくださる読者のみなさんの人数は数年前と比べて激増しており、これまでのようにゆっくり皆さんと話をしたり、いただいたお手紙をじっくり読んだりする余裕がなくなってきている、というのが正直なところです。本来ならば読者の皆さんに会ってパワーチャージするべきところを、今年はお会いした後たのしさと引き換えにどっと疲れてしまう、ということも多くて……。わたしはなによりも「作家」でいたいので、来年はより一層、イベントやサイン会を控え、より良いものを書くための時間を多く作りたいと思っています。来年は新刊の販促以外のイベントやサイン会は原則・がんばって・控えめにする予定です(とはいえ来年もいっぱいあると思うけれど)。みなさまのお近くでお会いできる機会があることをたのしみにしています。まずは体力をつけたいと思います!

 

来年も、よいお仕事をできるようにがんばります。

みなさんも、よいお年を!

 

また書くよ。

2024.12.31

くどうれいん